2024年は選挙の年と呼ばれてきた。世界の人口の半数が国政選挙で投票する。これらの選挙の中には、その国だけでなく、世界全体にとって重要になるものもある。
例えば、ウラジーミル・プーチン大統領はロシアの大統領として確実に再選されると考えられるが、票差が小さければ満足しないだろう。イギリスと台湾の選挙もまた、非常に大きな重要性を持つ。
しかしそれらも、ドナルド・トランプ前大統領が世論調査で強さを見せているアメリカの大統領選挙に比べるとかすむ。このようなものは誰もこれまでに見たことがないだろう:深刻な法廷での問題に直面していながら大統領に立候補する人物を。トランプ氏は、2020年の選挙を覆す2件を含め、4件の刑事裁判にかけられている。普通の候補者であれば(立候補は)やめているだろう。しかし、トランプ氏は共和党の有権者たちからの強い支持を頼りにできることを知っている。彼らのほとんど―6月の1つの世論調査では68%―が事実に反して、不正投票のためにトランプ氏が敗北したと思っている。
もしもトランプ氏が勝てば、世界中のポピュリストのリーダーたちが、自分たちの好きにできる兆しとしてそれを受け取るだろう。トランプ氏は、プーチン大統領と対立して強くウクライナを支持することはないだろう。イスラエルの指導者のベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ガザ地区での残虐な軍事行動をめぐる世界の意見を無視することができるかもしれない。
全ての選挙が重要だが、2024年のアメリカの選挙は私たちの世紀の前半における最も重要な選挙の1つとなるかもしれない。