セルビアの中心部にデスポトヴァツという小さな市があり、ここはこの国の最も愛される観光地のいくつかへ向かう出発点になっている。
15世紀に建てられたマナシヤ修道院でセルビアの旅をスタートしよう。この修道院は、高くて分厚い石の壁と12本の塔があり、修道院というよりもむしろ城のように見える。軍事愛好家は、この修道院が軍事建築の重要な一例であることが分かるだろう。他方、普通の旅行者は内部にある美しい青いフレスコ画に感動するだろう。
創設者のステファン・ラザレビッチ氏がこの教会に埋葬されている。彼はセルビアの黄金時代である1389~1427年にセルビアを統治し、「デスポト(専制君主)」の肩書きを与えられた―この語「デスポト」はこの市の名前デスポトヴァツに使われている。
市を取り囲む森林には素晴らしい自然の見どころがある。まずは、8,000万年前のものと言われていて、約4キロの回廊を持つレサブスカ洞窟へ向かおう。この洞窟の内部には、鍾乳石と石筍が明るく照らされていて、ホール部分は壮観だ。
北へほんの数キロのところにヴェリキブクの滝がある。その名は、「The Great Hum(低くうなるような大きな音)」という意味になる。その理由は、高さ25メートルのこの滝の近くへ行けば明らかになるだろう。
さらに遠くへ行くと、また別の驚異的な自然の不思議、クルパジスコの泉がある。下の小川へとふちから流れ出ているターコイズブルーの水が入った楕円形の湖まで歩いていこう。隠された金にまつわる話や1年に1回美しい若い女性を要求する水の精霊の話を含め、この湖の伝説を知るだろう。
最後に、疲れた一日の後には、町へ戻って、おいしいギバニッツァ(フィロ生地で作ったチーズと卵のパイ)を食べよう。