トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と支持者らが5月29日、同氏による支配が20年を超えることを決定した決選投票での当選を祝った一方で、トルコの野党は独裁色を強める政府に立ち向かう「厳しい日々」を覚悟した。
対立候補だったケマル・クルチダルオール氏は「近年で最も不公平な選挙」と主張した。だが、トルコを二分し、地域の軍事大国としての地位を強めた政策を推し進める権限をエルドアン氏に与えた5月28日の選挙結果に異議を唱えることはなかった。
今回の選挙は、エルドアン氏にとって最大の政治的課題とみなされてきた。生活費危機がエルドアン氏の弱点であることが世論調査で示されたため、野党はエルドアン氏を失脚させて政策を覆すことができると確信していた。
しかしエルドアン氏は52.2%の票を獲得し、クルチダルオール氏の47.8%を上回った。彼が外交、経済、安全保障政策を描き直し、深刻な分裂状態に陥っているこのNATO加盟国で、無敵のイメージを強めたのだ。
「勝者はわれわれの民主主義だ」とエルドアン氏(69)は観衆に語り掛けた。同氏は2028年まで政権を維持することになる。