米連邦最高裁判所は6月29日、ハーバード大学とノースカロライナ大学が採用している人種を考慮した入試選考は無効であると宣言し、米国のキャンパスに通うアフリカ系やヒスパニック系、その他の人種的少数派の学生を増やすため長年用いられてきた積極的差別是正措置を事実上禁止する判決を下した。
多くの大学に入学者受け入れ方針の見直しを迫るこの画期的な判決で判事らは、ハーバード大学やノースカロライナ大学のように出願者の人種を考慮する積極的差別是正措置に基づく入試選考は、合衆国憲法が保証する法の下の平等の保護に違反するとの判断を下した。
リベラル派が反対する中、多数を占める保守派の判事たちによって、最高裁は積極的差別是正措置に反対する活動家エドワード・ブラム氏が設立した「公正な入学選考を求める学生たち」側を支持した。同団体は、学生の多様化促進を目的とした名門校2校の選考制度を擁護した下級裁判所の判決を不服として提訴していた。票数はノースカロライナ大に対して6対3、ハーバード大は6対2であった。