モスクワ郊外にあるコンサート施設「クロッカス・シティ・ホール」では3月23日、ショックを受けたロシア人が花束やテディベアを持ち寄った。「イスラム国」(IS)が犯行を主張する凄惨な襲撃によって死亡した100人以上に敬意を払うためだ。
3月22日、4人の男がそのコンサートホールに乱入し、旧ソ連時代から活動するロックグループ「ピクニック」のコンサート中に銃弾を浴びせた。
この事件が起こったのは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が周到に統制された選挙で野党の声を厳しく弾圧して記録的な5期目の任期を確保し、権力の掌握を固めた数日後のことだ。ロシアではここ数年で最悪の襲撃でありコンサート施設は廃墟と化した。
事件はモスクワの人々の精神をくじき、プーチン大統領の就任初期に起きた同様の事件の記憶を呼び起こした。ISが犯行声明を出したものの、プーチン大統領は、事件はウクライナを利するものでもあるとして、ウクライナ政府が一役買った可能性を示唆した。
露連邦捜査委員会のアレクサンドル・バストリキン委員長は3月25日、死者数は139人に上ったと発表した。