06：大学合格を目指す高校生のためのAlpha活用術①

学んだ文法や覚えた単語、英文記事の中で「観察」してみよう

高校生の皆さんは、文法のルールを覚えたり、単語帳などを使って英単語の意味を暗記するなど、普段の学習の中でいろいろな知識を頭に入れる努力を続けていることでしょう。もちろん知識を増やすこと自体は大切ですが、残念ながらその結果として、ライティング力やリーディング力などのスキルが目に見えて向上したという実感があまり持てないという人も多いのではないでしょうか。

なぜ知識を覚えても、スキルがあまり伸びないのか。それは、その知識が本当に自分のものになっていないから。文法のルールや単語の意味を暗記することは、実はほんの入り口にすぎないのですが、多くの高校生がこうした知識を頭に入れることをゴールにしてしまっているのが実情なのです。
それではスキルを伸ばすためには、暗記以外に何をしなければならないのか。ここでお薦めしたいのは、覚えた知識をAlphaの英文記事の中で「観察」するということです。
文法を例にとってみましょう。aとtheの使い分けのルールを学んだとします。ただ、こうした文法事項は、ルールを頭に入れただけでは完全には理解できません。大事なのは実際に使われている例に数多く触れること。ぜひ記事の中で使われているaとtheそれぞれに印を付けて、「なぜそこははa［the］が使われているのか」ということを考えてみましょう。このようにルールとして学んだことが実際に運用されている例を数多く観察することで、初めて本当の意味で理解できるようになりますよ。
これは、文法だけでなくボキャブラリーにも当てはまります。たくさんの英単語を暗記したのに英文がスラスラ読めない、覚えたはずの語をライティングで使えない。このような状態に陥っている人もいるのでは？　原因は、その単語の「文中での典型的な使い方」を知らないことにあるケースが多いのです。
例えばamidという単語があります。「～の中に、～の中で」のような訳語が当てられることが多いですが、この訳を覚えるだけでは理解としては不十分です。この語は、A rocket landed near the U.S. Embassy in Baghdad amid heightened tensions between the U.S. and Iran.（米国とイランの間の緊張が高まる中、バグダッドの米大使館近くにロケット弾が着弾した）のように、「ある出来事の裏にある背景」を説明する際に使われるのが一般的です。こうした各単語の「使いどころ」が分かってくると、英語の理解力・表現力がぐっと伸びてくるのですが、こうしたものは訳を覚えただけでは身に付きません。やはり、文中で使われている例に数多く触れる必要があるのです。
多くの高校生が、文法のルールや単語の意味を暗記しただけで終わりにしてしまっているため、理解が中途半端なままで終わってしまっています。しっかりとした力を身に付けるには観察が大事。Alphaには毎週大量の英文が掲載されているのでの、観察の機会が豊富にありますよ。知識を覚えて終わりにせずに、それが使われている例を記事の中でチェックする習慣を付けましょう。