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第6回 Change Maker Awards(CMA)イベントレポート

第6回 Change Maker Awards(CMA)

社会課題の解決策を英語で発信
中高生のためのプレゼンテーションコンテスト

探究活動の成果を英語で発表する、中高生のための英語プレゼンテーションコンテスト「第6回Change Maker Awards」(CMA)の全国大会が、3月24日(日)に東京都江東区の東京国際交流館・プラザ平成で開催された。本紙の高橋敏之編集長も審査員の一人として参加した、熱気あふれる大会の模様を紹介しよう。

■ 地方選を勝ち上がり全国大会へ

「Change Maker Awards」(CMA) は、一般社団法人英語4技能・探究学習推進協会が主催し、2019年から毎年実施。中高生たちが日ごろの探究の成果を英語で発表し、活動の内容や英語のプレゼンテーション能力等について競い合うものだ。新型コロナウイルス感染防止のため全員マスク着用という昨年の制限が撤廃され、今年、中高生たちは伸び伸びと発表に臨んだ。

コンテストは、「世界に伝えたい私の探究」(Show your Research/Action to the World)をテーマとする「個人部門」と、「私たち× 〇〇」(Attract the World with your Research/Action)をテーマとする「チーム部門」に分かれる。

今年は個人部門199人、チーム部門119組のエントリーがあり、書類審査による地方ブロック予選、動画審査による地方ブロック決勝を勝ち残った個人部門10人・チーム部門10組が全国大会へ。ステージに上がり、各自約7分の持ち時間の中で成果を披露した。

開会にあたり英語4技能・探究学習推進協会の斉藤智代表理事は、「過去の参加者の中には海外の大学に進み、現在、社会の課題解決に取り組む活動をしている人もいると聞いています。今日の皆さんの声は、社会を変えるきっかけとして必ず誰かのところに届きます」とあいさつした。

CMA2024 会場

全員マスク着用という昨年の制限が撤廃。今年、中高生たちは伸び伸びと発表が行われる。

■ 独創的な着眼点が続いた個人部門

審査員は、テンプル大学ジャパンキャンパスのマシュー・J・ウィルソン学長を審査員長とする5名で、そのうち本紙 高橋敏之編集長が個人部門、株式会社JTB 企画開発プロデュースセンターGlobal Link 実行委員会の及川秀昭日本事務局長がチーム部門の審査に当たった。各部門ごとに金賞・銀賞・銅賞が選出され、さらに個人部門では「The Japan Times Alpha賞」、チーム部門では「Global Link 賞」が用意された。Global Link 賞 受賞チームには、シンガポールで開催される中高生向けのアジア太平洋課題研究コンテスト「Global Link Singapore」への出場権が与えられる。

個人部門では、日本古来の修復技法「金継ぎ」をサステナブルな暮らしと結び付けて世界に発信しようとする桜蔭中学校の植松菜生さん、テコンドーの電子防具の精度を上げる研究をしている兵庫県立神戸高等学校のLIU XIMAN(リュウシマン)さんなどユニークな着眼点の出場者が続く中、海の生態系の維持に役立つとされる海草アマモを醤油として食用に使い、海外にも広めようとしている岡山学芸館高等学校の平岩恋季さんが金賞を受賞した。「全国アマモサミット」に参加するなど幅広い活動を続ける平岩さんは、受賞後に「これからもアマモの魅力を伝えていきたい」と話した。

個人部門 金賞に輝いた岡山学芸館高等学校 平岩恋季さん

個人部門 金賞に輝いた岡山学芸館高等学校 平岩恋季さん

The Japan Times Alpha 賞は、汚れを落とす構造を持つカタツムリの殻を模倣した防汚シートを開発、洗剤の使用を減らして水質汚染問題解決を目指す長野県松本県ケ丘高等学校の中澤舞さんに贈られた。「鋭い視点を持った探究活動であり、さまざまな商品に応用できる大きな可能性を感じます」という高橋編集長の講評に対し、中澤さんは「海外で暮らしたりインターナショナルスクールに通ったりした経験のない私が、こうして英語のプレゼンで賞を頂けるのは本当にうれしい」と話していた。

個人部門 The Japan Times Alpha賞 長野県松本県ケ丘高等学校 中澤舞さん

個人部門 The Japan Times Alpha賞 長野県松本県ケ丘高等学校 中澤舞さん

このほか、日本で暮らす難民の子どもに日本語学習の機会を提供しようとしている品川翔英高等学校の田中二湖さんが銀賞を、家庭の廃棄野菜などからエコバッグを制作している頌栄女子学院中学校の芝田愛海さんが銅賞を受賞した。

  • 個人部門 銀賞 創価高等学校 佐藤龍さん個人部門 銀賞 品川翔英高等学校 田中二湖さん
  • 個人部門 銅賞 頌栄女子学院中学校 芝田愛海さん個人部門 銅賞 頌栄女子学院中学校 芝田愛海さん

■ 活発な活動が目立ったチーム部門

チーム部門では2~4人が1組となり、グループでの探究の成果を発表した。
フェアトレード品を材料とした菓子を作り販売する自修館中等教育学校チーム、ボランティアの場を提供する団体を立ち上げた女子聖学院中学校高等学校チームなど、グループでの活発な活動が紹介される中、光合成生物を培養する装置「フォトバイオリアクター」によって効率よくグリーンシティを実現させるという提案を行なった、開智日本橋高等学校のチームが金賞を受賞。同チームは環境省に提案書を送るなど精力的な活動を続けており、受賞あいさつに立った生徒は、「うれしくて頭が真っ白」と顔をほころばせていた。

チーム部門 金賞 開智日本橋高等学校「クアトロフリホレス」

チーム部門 金賞 開智日本橋高等学校「クアトロフリホレス」

Global Link 賞を受賞したのは、魚を養殖した水で野菜を育てる新しい循環型農業「アクアポニックス」によって若者の農業に対するイメージを変えようとしている佼成学園高等学校のチーム。

チーム部門 Global Link賞 佼成学園高等学校「Farture」

チーム部門 Global Link賞 佼成学園高等学校「Farture」

ほか、災害を招きかねない荒れた竹林を減らすために竹灯籠づくりを進める福岡県立東筑高等学校のチームが銀賞を、英語嫌いをなくすための学習用ゲームやクイズを開発している札幌光星中学校のチームが銅賞を受賞した。

  • チーム部門 銀賞 福岡県立東筑高等学校「おきな」チーム部門 銀賞 福岡県立東筑高等学校「おきな」
  • チーム部門 銅賞 札幌光星中学校「CIES」チーム部門 銅賞 札幌光星中学校「CIES」

大会の最後、ウィルソン審査員長はこう締めくくった。「他国との文化の違いを理解し、新しいスキルや知識を身に付け、新たな経験を積むことは、人生を豊かにします。この大会での経験は、皆さんが将来世界を相手に仕事をするうえで必ず役立ちます。これからも積極的に探究活動を続けてください」。出場した中高生たちは、いずれも高い英語力で自身の研究成果を発表し、さらに日頃から鋭い問題意識と深い探究心を持って活動に取り組んでいる様子を見せてくれた。

「Change Maker Awards」という大会名の通り、ここに参加した若者たちの中から、将来それぞれが進む分野で変革をもたらすような活躍をする人物がきっと出てくることだろう。

本選出場者一覧

個人部門:UWC Thailand International School 古東華典さん/桜蔭中学校 植松菜生さん/兵庫県立神戸高等学校 LIUXIMAN さん/長野県松本県ケ丘高等学校 中澤舞さん/頌栄女子学院中学校 芝田愛海さん/品川翔英高等学校 田中二湖さん/岡山学芸館高等学校 平岩恋季さん/市川中学校 服部鈴さん/立教英国学院 磯部恭輔さん/玉川学園高等部 小暮日菜子さん

チーム部門:佼成学園高等学校 Farture /山形県立山形西高等学校 Team As /自修館中等教育学校 Ideal /女子聖学院中学校高等学校 ecomame ぷっち/札幌光星中学校 CIES /福岡県立東筑高等学校 おきな/新潟県立村上中等教育学校 MSES /開智日本橋高等学校 クアトロフリホレス/山形県立山形西高等学校 La Familiar /品川女子学院高等部 過剰除去削減プロジェクト

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