それはやって来ている。
実際には、あなたがこのエッセーを読む頃には、もう来ているだろう。
もちろん、私は夏のことを話している。
猛烈な暑さ、うるさいセミ、たっぷりのハンカチ:これらは私が日本の夏といえば思い浮かぶものだ。私はすでに夏の暑さに向けて準備を始めている。
寒い気候の中で育った私は、厳しい、そしてときにひどい寒さの冬には慣れていた。美しい夏は、あの雪と氷の全てを耐えたご褒美のように感じた。
しかし、私にとって、日本の夏は一年の中で最もつらい時期だ。ここでの5回の夏の後でも、まだ何週間も続く蒸し暑さには慣れていない。カナダの人々は日本の夏の蒸し暑さに向くようには身体ができていない。
しかしありがたいことに、私には夏を乗り切る戦略がいくつかある。
私がまずし始めたのは、日本の夏を、私がかつてカナダの冬を扱っていたように扱うことだ。
スキーや、凍った湖や池の上でのスケートのような楽しいアウトドア活動以外に、カナダの冬は屋内で過ごすのが一番で、理想的には良い本と1杯の熱いコーヒーがあるといい。テレビではアイスホッケーがたくさん放送されていて、忙しい夏の期間におろそかにしていた家の中のプロジェクトの遅れを取り戻すのにもよい時期だ。
だから、日本の夏の期間には、私は主に、それと同じようなことをしようとしている。テレワークをしているので、私はいつも日中の一番暑い時間帯を避けて、少し涼しくなる朝と夕方に散歩へ出かける。本を読み、勉強し、できるだけたくさん野球を見る。博物館を訪れたり、娘と屋内の遊び場へ出かけたり、家の外でエアコンがついている活動の計画も立てるようにしている。
それでも、私は夏の間中ずっと屋内に閉じこもっていたくもなく、そこで準備がさらに重要になる。
ハンカチ、電池式の扇風機、通気性の良い衣類が不可欠だ。
昨年、私は実は、義理の父と甲子園の大会を見に行った。8月の息苦しいほどの暑さの中での4試合で、一息つく瞬間は時々飲むビールとトイレの近くの大型エアコンだけだった。3試合目になる頃には、甲子園の隣りにあるショッピングモールが砂漠のオアシスのように見え始めたが、残念ながら、甲子園を出た後の再入場は許されない。
ありがたいことに、義理の父は、私たちが暑さから少し休憩を取る必要があると分かっていたので、自分用と私用に2枚チケットを買うのではなく、4枚買っていた。だから、35℃の午後のまっただ中で、私たちはよろめきながら甲子園を出て、ショッピングモールでランチを食べて1、2時間過ごした後、その日の最終試合を観に戻った。
だから、夏は楽しみではないが、私は夏に備えていると言うことはできる。
そして、結局、10月はほんの数ヵ月先だ。