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  3. 2023.9.1

Is that pain all in your head?その痛みは思い込み?

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腰の手術から4ヵ月後、私は右脚と尻の筋肉に痛みがあった。理学療法をきちんとやっていたので、きっとよくなるはずだった。もう1度MRIの検査をして、異常なしだった。手術は成功したが、私の深刻な痛みについて誰も説明できなかった。

たくさん調べ物をしたすえに、いくつかの驚くべき答えを見つけた。

私たちの神経系は体と脳を連携させている。この双方向の系統は、いつも変化に順応している。私たちの脳と神経系が変化に適応するやり方は、神経可塑性と呼ばれている。自転車に乗るといった筋肉の記憶は、神経可塑性の1つの例だ。それは私たちが機能し、成長するのを助けている。

何らかの危険があると、脳と神経系は過敏になり、警戒態勢に入る。警報が鳴らされる。戦うか逃げるか! 体が実際に負傷すると、脳はスイッチのように働き、鋭い痛みを引き起こす。私たちは傷付いたことが分かる。助けを見つける。体が治ると、普通は痛みが消える。痛みの警報システムは私たちが生き延びるのを助ける生物学的なよい設計の一例だ。

しかし、慢性の長く続く痛みはどうだろうか? 傷が治療され、癒えた後でさえ、痛みを感じ続ける人もいる。脳内の危険スイッチは切られていない。ストレスや心配から引き起こされるときもあり、危険がもう存在していなくても、痛みのシグナルを送り続けるときもある。これは、誤作動している神経可塑性で、神経可塑性疼痛と呼ばれることもある。その痛みは、負傷したことがない部分で感じられることもある。それは不合理な痛みであり、明白な理由がないのに生じる。痛みは脳から来ているが、現実のもので、想像されたものではなく、とても重度になる場合もある。このことの多くの例の中に、線維筋痛と片頭痛などの慢性的症状がある。

幸い、神経可塑性疼痛の治療における先駆者である内科医と理学療法士が何人かいる。彼らは、脳が痛みのスイッチをオフにするようにトレーニングし直すよう助けるプログラムや本を提供している。特化された理学療法、マインドフルネスのトレーニング、瞑想、ヨガ、神経をリラックスさせること、気分を高めるものなどが、脳の過度に活動的なシグナルをプログラムし直し、慢性的な痛みを減らすためのさまざまなプログラムで使われる治療の種類のほんの数例だ。

患者1人1人に異なる課題があり、全てのプログラムがうまくいくわけではない。多くの医師は、痛みは肉体への損傷以外のものからも引き起こされうるという考えに疑いを持っていたり、断固反対であったりさえする。そうした痛みは「すべて気のせいだ」として片付けられることが多い―でっち上げの痛みや心気症などと。運がよいことに、新しい研究が続いており、治療法はあるが、自分で探し求めなければいけない。インターネットはそれを可能にする。科学は脳の不思議についてまだ発見することがたくさんある。

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