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  3. 2023.10.6

Thinking about empathy共感について考える

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最近の手術の後、再び自由に動けるようになるまで何週間も補助が必要だった。私は一人暮らしなので大変だった。しかし、陽気に食べ物を持ってきてくれたり、雑用を済ませたり、私の家を片付いた状態に保ってくれたりする若いカップルの友人がいて、私は幸運だった。私は頼む必要がなく、彼らは何が必要かが分かっていた。

もう少し年を重ねている別の友人は、2軒しか離れていないところに住んでいたが、訪ねてきたり、私が何か必要としているかどうか尋ねたりはほとんどしなかった。この男性とは過去に親切にし合っていたが、私が頼んだときだけだった。そのことで、私は共感の本質について考えさせられた。人々は明らかに、持っている共感の量が違う。だが、それはどこから来るのだろうか? 生まれつきのものか、それとも育った環境により決まるのか? 私自身は十分に共感を持っているだろうか?

私たちが共感と呼ぶ感情は、他の人が何を感じているかを感じ取ることと、他者と自分を重ね合わせることができることに関連する。それは、関わりを必要とするので、同情とは異なる。「サイコロジー・トゥディ」はそれを、他者とつながる基礎と呼ぶ。それがなければ、他者との関係は浅く、自己陶酔的なものになりうる。

私は自分のことを特別に共感力がある人間だとは思ったことがない。私は一人っ子で、両親は自分のことばかり考えていたので、私は家族以外の誰かのことを気にかけるように教わった覚えがない。ほとんどの子どもたちは、例えば、おもちゃを共有するように教わるまでは、自己中心的だ。共感とは、多くの人々が成熟するにつれて発達させるものだという証拠がある。

2018年に、研究者たちは、人々の間における共感の違いの10%は遺伝によるものだということを示した。つまり私たちの共感の一部は実は遺伝によるものかもしれない。研究者たちは、共感の低い人々は自閉症の可能性が高いということも発見した。自閉症は他者との社会的交流をとても困難にする。

それよりも古いたくさんの研究は、一般的に女性の方が男性よりも共感力が高いことを示してきた。それは、遺伝的特徴というよりもむしろ、文化的違いとホルモンの違いに基づく。概して、女子は男子よりも、社会的生活と友人関係を好む。母親は、子どものいない女性よりも共感力が高いことも分かっている。医療関係の職に就くために訓練している人々は、客観性を保つために、共感力がより低いスコアになることが多い。

共感は教えられたり、学んだりすることができることを、研究は示している。共感は能力でもあり、資質でもあるが、訓練により、人々はどうすれば共感的になれるかを学ぶことができる。ナルシストは共感力に欠けているが、そうすることが一番自分のためになるのであれば、共感を学ぶことができるだろう。医師たちは、患者のことをもっと思いやることができるように訓練することができる。共感は私たちの人格の中でそんなふうに重要な部分ではあるが、それでもこの話題に対してほんの少ししか関心が向けられていない。共感は、他者と関わる経験を豊かにする。それは人間でいてよかったと思えることの1つでもある。いつもなら避けるかもしれないような人々のことを理解しようとしてみることで、新しいことを学び、より受容的になることもある。あなたとあなたの共感力は成長できる。それは挑戦する価値があると私は思う。

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