どんな職場においても、改善が必要なことについてフィードバックを与えることの重要性を私たちは皆知っている。しかし、特別によいことについてのフィードバックを与えることについてはどうだろうか? フィードバックする人は、うまくいっていることについては受け手が実は分かっていなくても、分かっているものだと誤解していることが多いと研究が示している。
何のインストラクターでも、私たちは誰かに見られている中で、複数の事柄を同時に正しく行なわなければならない。私たちは自分の生徒たちに物事の正しい行ない方を見せて、彼らがそれをうまくやる手助けをし、必要があれば彼らを正さなければならない。このことにまつわる問題は、私たちは間違いがないかどうか目を光らせて見る傾向がある―自分自身の間違いを含めて―ということだ。
私はいつも、生徒たちに好意的なフィードバックを与えることは重要だと分かっていた一方で、他のインストラクターたちにも好意的なフィードバックを与えることの重要性をようやく認識したのは、教え出して数年経った後だった。レッスンをよりよくするために、もっと違った形でできたであろうと思うことを、私はいつも、少なくとも2つは見つけることができる。誰かが私に教えてくれて初めて、私は自分がいい仕事をしていると知ることができる。私たちは他の教員たちのレッスンを見学する機会を得ることはめったにないので、私は心からの好意的なフィードバックをなるべく頻繁に他のインストラクターに与えるように努めることに決めた。
ピラティスのクラスを受け始めたとき、教室のような環境で生徒になったのは久しぶりだった。入会手続きをした後すぐに、1人のインストラクターが私がレッスンを受け始めたのとほぼ同じ時期に教え始めたことに気が付いた。私は彼女に特に親近感を覚えた。形は違えど、私たちがどちらも新しくピラティスを始めたからかもしれない。それに、教えているときに全員がじっと見ている感覚は私も痛いほど分かったし、彼女は素晴らしい仕事をしていた。だから私は彼女にちゃんと伝えるようにした。
そうして良かった。9月初めに、彼女が別のスタジオに移ることを知った。彼女とのレッスンの後で、私は彼女のクラスについて感謝を伝え、これからうまくいくように願っていると伝えた。
驚いたことに、彼女は私にも感謝を返してくれた。「あなたは私に話しかけてくれた最初の人たちの1人で、私のインストラクションが理解しやすいと言ってくれました。私はそのコメントをずっと覚えていて、そのことがインストラクターとしてやっていく励みになりました」。彼女からそれを聞いたことは間違いなく、私の1年の重要な出来事の1つになった。
コンビニエンスストアの店員から清掃員、上司に至るまで、誰かの仕事はインストラクターの仕事と同じくらい複雑かもしれない。ほとんどの場合、みんながベストを尽くそうとしている。だから、今年の終わりまで、誰かに何か好意的なフィードバックをすることを毎週の習慣にしてみてはどうだろうか? ちょっとした好意的なコメントがどんな大きなインパクトを持ちうるのかは計り知れない。