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  3. 2024.2.16

A slice of my life人生の一片

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最近、妻と私は『The Bear(「クマ」の意。邦題『一流シェフのファミリーレストラン』)』というテレビ番組を見ている。

その番組名にもかかわらず、この番組は動物や自然とは関連がない。そうではなくて、この番組は、亡くなった兄弟が営んでいた質素なサンドイッチ店を経営するために、故郷のシカゴに戻ってきた世界クラスのシェフの物語だ。

最初、キッチンは大混乱の状態だ。ディナー営業中に、料理人たちは無秩序で、よくお互いにぶつかり、食事を準備するのに時間がかかり過ぎ、汚れた調理器具や鍋、フライパンがあちこちに無秩序な散らかりようで積み上がっている。

それは、画面上で見るには面白いコメディーになるが、それはまた多くの面で、私がキッチンに足を踏み入れるときに自分がどんな感じかも思い出させる。

わが家では、料理をした人は食事の後の洗い物をしないというルールを設けている。しかし、私が料理をするときはいつも、キッチンに私が残した散らかりようを申し訳なく感じるので、結局洗い物もするときもある。

私は、コンロに同時に2つ以上のものがあるときや、複数の副菜を同時に用意する必要のある料理をするときに、本当に苦労する。

どうにかして生活費を賄おうとしていた金欠の大学生だったとき、仕方なくギリシャ料理のレストランで料理人の仕事に就いた。
それはうまくいかなかった。

当初から、私の包丁さばきが標準以下であることが明確だった。家庭料理用に玉ねぎ1つをさいの目切りにするくらいは問題なかったが、素早く20~30数個の玉ねぎを切ることは、難題であると判明した。

私はまた、全ての注文を把握しておくのにも本当に苦労した。ある日、私は肉料理の担当になり、大量の牛肉、羊肉、鶏肉の串刺しがグリルの上に積み上がり、どの注文がそのテーブル向けだったか完全に分からなくなったことを覚えている。

また別の日には、サラダの担当になり、ステッカーが付いたままのトマトを載せて一皿を出しそうになった。

その仕事をして1週間か2週間した後、私はこれは自分に向いた役割ではないという感じがしてきた。ある日、これで終わりだ、上司に辞めるつもりだと言おうと考えながら、私は仕事に行った。

しかし、最後の出勤日をいつにするか決めようとしてスケジュールを見ると、辞める必要は全くないということに気が付いた。店長は次の2週間の新しいスケジュールを貼り出していた―そこに私は載っていなかった。

どうやら、上司もうんざりしていたようだ。

私はキッチンでの仕事にただ向いていなかったということが誰の目にも明らかだった。

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