3~4年ごとに、昔からの友人たちからのメッセージが突然ぞろぞろと現れてたくさん届き、私にビットコインがなぜこんなに強いのか、今は買うのにいい時期かどうかを尋ねる。
私の答えはいつも同じだ:ビットコインを買うのはいつだっていいだろう(これは財務的なアドバイスではない)。ビットコインの価格は最近史上最高値となったので、ビットコインを買ってこの時点まで売らなかった人は皆もうかっているだろう。
ビットコインは過去15年間、最も業績の良い資産クラスとなっている。しかし、突然の急騰はなぜなのか?
まず、「ゴールド2.0」は「半減期」に入ろうとしている。これは、ビットコインの世界で重要な役割を果たしているビットコインマイナーにとって重要な日付だ。ビットコインマイナーは、高性能の機械を使って複雑な数学の問題に取り組み、ビットコインで報酬を得る。おおよそ4年ごとに、このマイニングによる報酬は半減し、このことは供給の減少と需要の増加と価格の上昇につながる。
次に、アメリカの規制当局は最近、さまざまな金融企業からの上場投資信託を提供する申請を承認した。そうした企業の中には、世界最大の資産管理会社ブラックロックも入っている。上場投資信託は人々がビットコインに投資するのをずっと簡単にする。
ビットコインは、しかし、単なる何もないものではないのだろうか? ウォーレン・バフェット氏やJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOなどの経験豊富な投資家たちは、暗号通貨をくだらないものとして拒絶した。彼らは、暗号通貨には原資産がないと述べる。しかし、多かれ少なかれ、紙のお金だって同じではないだろうか? 資産は、誰もがそれに価値があると同意する場合にのみ価値を持つ。もし誰もが、ドル紙幣に価値がないと判断したら、ドル紙幣は価値がなくなるだろう。
ビットコインは2009年に伝説的で匿名のサトシ・ナカモトによって作られて以来、「ネットワーク効果」を通じてビットコインホルダーの強い基盤を獲得してきた。投資する人が増えるほど、このネットワーク効果は強くなる。それ以上に、ビットコインの支持者は分権的なシステムを強く信じている。ご存じのように、ビットコインはどの中央政府もしくは事業者によっても所有されていないという点においてユニークだ。それは完全に自律性のものである。主導権を握るアップル社もイーロン・マスク氏もいない。ビットコインは天才的な金融システムである。
ビットコインの支持者は2010年5月22日に1万ビットコインでパパ・ジョンズ・ピザを2枚買った人の話をするのが好きだ。現在、それと同じ数のビットコインは、7億5,000万ドル(1,110億円)相当になる。5月22日は今、暗号通貨ファンたちの間でビットコイン・ピザ・デーとして非公式に祝われている。
4月1日の時点で、ビットコイン1枚は、約7万1,000ドル(1,080万円)に相当している。それは、今年初めから60%以上の増加となる。それでもなお、今後数年間でビットコイン1枚が100万ドル(1億5,000万円)に到達するだろうと思っている人もいる。
様子を見て、後で買うか? 目を閉じて、今買うか? 騒ぎを無視するか?
私は友人たちのジレンマが分かる。