私たちが長い間延び延びになっていたカナダへの帰国旅行へ行く前に、大阪の自宅とはかなり異なる新しい環境に娘がどう対応するのか、私は定かではなかった。
異なる食べ物と言語でも2歳の子どもには十分な変化だが、私たちは新しい人たちにたくさん会い、トロントからオタワ、モントリオールへ移動する中でかなりの時間を車の中で過ごすことにもなる。電車に慣れている人にとってはそれはかなり長いドライブだ。
これらの都市部を訪れることに加えて、田舎でもたくさんの時間を過ごす計画をしていたが、今までのところ、娘はほとんど都会っ子だ。
しかし、旅行に入って約1週間が経つ頃、娘がカエルを追いかけて、素手でカエルをすくい上げ、水の入ったバケツに優しく入れるところを見た。そのとき私は、娘がくつろいだ気持ちでいることを知った。
私にとって、旅行全体の目玉の1つは、娘が学び、成長し、もう一つの母国とつながっていくところを見ることだった。
カエルとの娘の経験が伝えているかもしれないように、娘は自分のアウトドア派の側面を心から受け入れた。
本当に、子どもがどれほど順応性があるかは実に驚くべきだ。
飛行機に乗る前に、私は太平洋を横断する長旅について本当にストレスを感じていた。娘がコントロール不可能になり、他の乗客のフライトを台無しにしてしまうのではないかと心配した。そうはならずに、娘は座席にすっぽり収まり、ママとパパが好きなだけテレビを見せてくれることを知って喜んでいた。
車での長旅では、私たちが農園や森林を通り過ぎる中で、娘は窓の外を見ながら歌を歌って楽しんでいた。1度に30分以上車にいたことがなかった人にしては、彼女は本当によくやった。
言葉に関しては、私は家で英語にこだわっていたかいがあったと分かって本当に満足だった。日本語の方が娘にとってより強い言語であることは明白だが、娘はカナダの家族と友人たちと遊びながら彼女の「別の」言語を使わなければならないということをすぐに学んだ。私たちが大阪に帰ってきて以来、娘は前よりももっと英語をたくさん使っている。
実は、娘にとって最も厳しかった部分は食べ物だったと思う。私は家でよく西欧風の食事を料理するが、チャーハンや納豆など娘の好きな食べ物は、カナダではすぐに入手できるものではなかった。旅行の終わりの頃までには、娘がサンドイッチとパスタに飽きたことは明らかだった。
そこで、長い帰国旅行の翌日、娘を日本の生活に再び順応させる最良の方法は、大きなお椀一杯のうどんだと私たちは決めた。
娘は少しも残さずに食べた。