ロサンゼルス・ドジャースがニューヨーク・ヤンキースを破り大リーグ(MLB)のワールドシリーズが10月30日に終わって、2013年の上原浩治さん以来、日本出身で初めてのワールドシリーズの勝者となったドジャースの大谷翔平選手に敬意を表するときがきた。日本史上最も素晴らしい、という選手の話をしているのではない。「ショータイム(大谷選手の愛称)」は、野球の歴史上、あらゆる国籍の選手中(ベイブ・ルースさんに次いで)2番目に優れた野球選手になる可能性を秘めている。
それについて少し考えてみてほしい。1935年にルースさんがが引退してから、MLBには2万人以上のプロ野球選手が存在してきた。世界規模では、10万人以上のプロ野球選手いる。アメリカで高校野球の選手が最終的にメジャーリーグ入りを実現する確率はわずか500人に1人だ。ということは、大谷選手は100万人に1人どころか、5,000万人に1人の選手に近いということになる。
ルースさん以降、MLBには成功した投打二刀流の選手はいなかった。ピッチングとバッティングはそれぞれ、とてつもない時間と集中を必要とするとても特殊なスキルで、両方で成功するのは不可能に近いことだ。
大谷選手は、投手としても打者としてもMLBのオールスターゲームに複数回指名されている。それは歴史的な偉業だ。二刀流の選手として彼が球界に与えた影響は現代野球では比類ないものだ。
しかもそれは大谷選手のすごさのほんのわずかなところを述べたに過ぎない。これらの驚異的な成績を考えてみよう。
彼は、1シーズン中に50本塁打と50盗塁を達成したMLB史上初の選手だ。
彼の50本塁打目のボールは、オークションで439万2,000ドル(6億7,000万円)で落札され、野球のボール―もっと言えば、あらゆるスポーツのボール―に支払われたこれまでの記録を塗り替えた。
2024年のMLBシーズンの前に締結されたロサンゼルス・ドジャースとの大谷選手の契約は、スポーツ史上最も高額なものだった。この契約は、10年間で7億ドル(1,070億円)以上に相当する。これは、MLBでも他の世界的なスポーツリーグでもこれまでの記録を上回り、世界で最も価値のある選手の1人としての大谷選手の地位を確固たるものにしている。
契約はその価値があったようだ。なぜなら、MLBの統計によると、ドジャース対ヤンキースのワールドシリーズの第2戦は、日本で1,590万人、アメリカで1,380万人が視聴したという。この数値は、日本の人口の約12%が午前10時15分というゴールデンタイムではない時間帯に始まった試合を見ていたということに相当する。
恐ろしいことに、大谷選手はまだ30歳だ。彼はもしかすると、あと10年、いい野球選手として続く可能性がある。その間、彼がどれほど多くの記録をさらに破ることができるか考えてもみてくれ!
大谷選手なら最終的に、あらゆるスポーツの史上最も素晴らしい選手とみなされることも考えられないことではない!