私はニューメキシコ州ラスクルーセスに引っ越したとき、一人も知り合いはいなかった。
ファーマーズマーケットでドナという名前の女性に出会った。彼女は私の初めての友人になった。私は彼女のことを私の天使と呼んでいる。私が腰の手術を受けたとき、彼女は何週間も看病してくれた。彼女は事あるごとに他のことでも私のことを助けてくれて、彼女の優しさはとても頻繁で無私無欲で、娘を見つけたような感じがするほどだった。彼女が自分はキリスト教徒であり、神の使者であろうとしているのだと私に話したとき、私は全く驚かなかった。私自身の考え方は無宗教であるということを彼女に知らせる必要がある気がした。彼女はそんなことは全く関係がないと言ったので、私たちの友情は続いた。
1年ほど経って、2022年に政治の話題になった。彼女が共和党派だと聞き、私はショックを受けた。私は断固とした民主党派だ。アメリカはすでに、ドナルド・トランプ大統領の1期目によって深く分裂していた。私たちは口論になったが、お互い止めて、政治の話はしないことに同意した。私たちは今年まで、そういった会話はなんとか避けてきた。
今、トランプ氏が再び大統領となり、彼の行動は衝撃的で素早い。彼は数百万人の移民を強制送還したがっている。彼は理由なく連邦職員をたくさん解雇してきた。LGBTQのコミュニティーを傷つけたり、教室内で人種とジェンダーに関する話の仕方を学校に教えようとしている大統領令に署名した。彼の行動はあからさまに人種差別主義で、同性愛嫌悪で、反アメリカ的だ。ドナと私はもう1度口論になりかけたが、友情を保つため、再び私たちは自分にストップをかけた。
私はきちんとしたリサーチを始めるときだと決意した。左派的な信念において自分はただ仲間に忠実すぎるだけではなかったか? ドナルド・トランプ氏には、私自身がそれに気づくことを許せていない何かがあるのだろうか?
バイデン氏の在職中に書かれ、共和党の目標で満たされたマニフェストである「プロジェクト2025」から私のリサーチをスタートした。いあ、マニフェストの全900ページを読みはしなかったが、インターネット上でその要約をたくさん見つけた。ここにある考えをまとめると、既存の政府を取り壊し、保守的な権威主義の国として再構築するというものだった。それは子どもたちや恵まれない人々のためのセーフティーネットを破壊し、気候変動との戦いを弱体化させる―目標のいくつかを挙げただけでもこんな感じだった。多様性と、平等と、インクルージョン政策をも標的にしている。DEI政策(多様性、公平性、包摂性を重視する政策のこと)をなくし、それに関わっていた職員を解雇するという。このマニフェストは卑劣で残酷で偏見に満ちた行為のリストである。この計画が実現したら、アメリカの民主主義は生き残ることができないだろう。
トランプ氏は「プロジェクト2025」を彼の実現すべきことがまとめられたものとして使用している。私はリサーチを続ける予定だ。トランプ氏のことは理解できない。しかし私は、ドナと彼女のような他のアメリカ人たちのことを理解する必要がある。