80年前に米軍による空襲の犠牲となった約10万人を追悼する東京大空襲の法要が3月10日、東京で営まれた。
式典は墨田区の東京都慰霊堂で行なわれ、遺族や小池百合子都知事、秋篠宮ご夫妻が参列した。
「教育熱心で優しかった父は、経営していた米屋を守るために残って亡くなった」と、佐藤玲子さん(93)は語った。彼女は大空襲の数時間前に東京を離れていたため生き残ったという。「戦争を二度と繰り返してはいけない」と、第二次世界大戦で兄弟も亡くした佐藤さんは言った。
空襲で父ときょうだいを失った88歳の女性は、遺体も遺骨も見つかっていないと語った。
「毎年、ここで家族に思いをはせるほかない」。
1945年3月10日、米軍のB29爆撃機約300機が東京に大量の焼夷(しょうい)弾を投下した。この攻撃で100万人以上が被災者となったと推定されている。