数十億年前に小惑星が月に衝突したときに、月の裏側に2つの巨大な峡谷を掘り出したことが、新しい研究で示された。
アメリカとイギリスの科学者たちは、そのエリアのマップを制作するためにアメリカ航空宇宙局(NASA)の月周回衛星「ルナー・リコネサンス・オービター」からの画像とデータを活用し、約38億年前にこれらの峡谷を生み出した破片の通り道を算出した。科学者たちは研究成果を2月4日に『ネイチャー・コミュニケーションズ』誌で報告した。
向かってきた隕石が月の南極を通過した後、衝突して巨大な盆地を生み出し、秒速約1キロの速度でいくつもの大きな石を猛烈な勢いで吹き飛ばした。その破片はミサイルのように上陸し、アリゾナ州のグランドキャニオン程度のサイズに匹敵する2つの峡谷を10分足らずで掘り出した。