車も道路もなく、運河と橋だけがある村を想像できるとしたら、オランダ東部のヒートホールンのような場所が思い浮かぶかもしれない。
人々は徒歩やボート、自転車で移動している。運河がたくさんあり、ボートは極めて最高の移動方法だ。多分この村が「オランダのヴェネツィア」と呼ばれるゆえんはそれだろう。公平に言えば、この村は小さい―人口はわずか2,800人ほど―ので、ヴェネツィアに擬えるのはヒートホールンを持ち上げている。だがそれでもここは目の保養になる。
ヴェネツィアのように、ヒートホールンには橋がいっぱいある―170以上の橋があるので、ボートを借りることにしたら、頭をかがめる練習がたくさんできる。ヴェネツィアとは違って、運河が少し渋滞することがあったとしてもここは静かだ。
この村の魅力は、ボートで通り過ぎる数え切れないほどのかやぶき屋根の家だ。明るい芝生と庭に、あなたはひどくうらやましくなるだろう。
ヒートホールン博物館を訪れて、19世紀初期にさかのぼり、人々がここでどのように暮らしていたのかを見てみよう。館内では、当時の本物の農場を散策できる。
散歩したければ、ウェールリッベン=ウィデン国立公園へ向かおう。ここには、ヨーロッパ北西部で最大の湿地帯がある。開けたエリアは、ハシグロクロハラアジサシやカワウソなどの動物を見つけるのに最適だ。たまに風車があるのは言うまでもない―ここはやはりオランダだ。
最後に、ミシュランで星2つが付いた村内のレストラン、デ・リンデンホフでおいしい食事を楽しもう。料理長から夕飯の後にボートに乗せてくれるとの誘いがあったら、運がいいということにしよう!