この小さな町ヴェムディングはバイエルンの穏やかな丘陵に隠れ、大都市で目にするような類の見どころはないが、ロマネスク様式の魅力のある静かな静養先を探しているなら、ここは行くべき場所だ。
ヴェムディングは、植物の絵がいっぱいの大規模な本で有名な植物学者レオンハルト・フックス生誕の地だ。フクシアという植物は彼にちなんで名付けられた。毎年5月ごろ、メインスクエアは、鮮やかな元気の出る紫色の吊り下がった花々が付いた何千本ものフクシアのカーペットでいっぱいになる。夏の間、何百本ものフクシアのピラミッドに目を光らせておこう。
メインスクエアそのものは、美しいルネサンス様式の古いタウンハウスに囲まれている。
ヴェムディングの旧市街地のまわりを囲んでいる石の壁に沿って散歩をしよう。この驚くべき14世紀の壁は、保存状態がよく、3本のウォールタワーと2つのゲートがある。
町のすぐ外には、見事な教会、マリア ブリュンライン巡礼大聖堂がある。外からは、どちらかと言えば平凡に見えるが、内装は金色の像とカラフルな壁画で溢れている。この教会の主な見どころは、聖母マリア像を見せる噴水だ。
教会から見えるところに、ユニークなアート作品がある。タイム・ピラミッドだ。これは1993年に始まり、やがて1つ当たり数トンの重さの120個のコンクリートのブロックを持つようになる未完成の作品だ。10年ごとに1つのブロックが足され、今年は4つめのブロックが9月9日に足される予定だ。完成したピラミッドを見るのを3183年まで待てないなら、近くの町の「ハウス・オブ・ザ・ゲスト博物館」にその模型がある。