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  3. 2024.3.15

Colleges on the tourist map観光名所となった大学

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もしもバスいっぱいの観光客があなたの大学に押しかけたら、あなたはどんな気分になるだろうか?

2つのシンガポールの大学は最近、大勢の観光客を引き付けているとニュースで話題になった。どうやら観光客の多くは中国からのようだ。

講堂に入り込む観光客たちに授業を邪魔されること、大学の食堂の行列が長くなったこと、通路が大規模なツアーグループに封鎖されているので回り道をしなければならないことに対して、不満を言う学生たちもいた。

レディット(アメリカの掲示板型ソーシャルニュースサイト)のあるユーザーは、ツアーバスを15分以内に3台見かけたと述べていた。そうした観光客たちは食堂やトイレ、図書館で混雑を起こし、シャトルバスまでも満員になった。

別の学生は、あるオンラインフォーラムで、観光客が学生たちの写真を撮っていて、学生たちは「動物園の動物」のような気分にさせられていると話した。

私は、これらの2つのシンガポールの大学が人気の観光地になっていることに驚いた。世界中の有名大学が相当の訪問者を引き付けている一方で、私の母校が同格になっているとは思いもしなかった。

私は20年ほど前、この2つの大学のうちの1つの学部生だった。この大学はシンガポールの西部の比較的アクセスしづらい場所にあり、私たちには「ウル」―「道外れ」という意味のシンガポール英語―だという評判を得ていた。このかなり何の変哲もないように見えるキャンパスまで、はるばるやってくる友人はほとんどいなかったし、観光客はなおさらだった。

友人の多くが学んでいたもう一方の大学を私が訪れたとき、私たちは一度も大勢の観光客を見かけたことはない。

とは言え、そのキャンパスは私が学生だったときに比べて今ではかなり違って見える。細部が建築学的に面白い新しい建物がインスタ映えするものになった。第3期教育(大学や専門学校)のためにシンガポールに移ることを検討しているアジアの学生たちが増えているのかもしれない。

私は旅行をするとき、大学訪問を楽しんでいる。しかし、それをしているツアーグループに参加したことはない。それは1つの大きな違いだと思う。単独で移動している訪問者たちは、団体で来るよりも引き起こす騒乱が少ない。

これは多分、多くの大学がガイドラインを設けている理由だ。東京大学と早稲田大学は、団体ツアーに対し、事前に申し込みをして、約束をした時間に訪れることを義務付けていると読んだ。グループツアーの参加者たちは、喫煙、ごみのポイ捨て、騒音などについての基本的なルールにも注意しなければならない。

学生のフィードバックに対して、1つの大学は全ての旅行代理店に対し、承認を得ること、ツアーを申し込むこと、時間枠を予約すること、入場料を支払うことを義務付けることにした。ある新聞は、キャンパスに入るのに車1台当たり約700ドル(7万8,000円)かかると報じた。また、全てのツアーは1時間以内で終わらなければならない。

もう一方の大学は、ビジターセンターを設立する計画だ。学生のガイドが、ガイド付きの散策で観光客グループを案内する。

これらの新しい措置に対して、ツアー会社はどのような反応をするだろうか? 様子を見てみよう。あなたがもし大学の学長だったらどうするだろうか?

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