私たちがこの旅行のコラムをスタートして以来、世界中の500ヵ所以上の旅行先について書いてきたが、それでもまだ、遠く離れた国々に私たちが見ていない場所がある。そうした場所の1つがソコトラ島だ。アラビア半島の南約380キロに位置する小さな島だ。
この島は、ソコトラ諸島の中で最大の島だ。正式にはイエメンの一部だが、近年、アラブ首長国連邦がこの島に軍事的関心を寄せてきた。
しかしそのことは、ここの独特の―異質でさえある―植物の生態を見にここへ訪れる旅行者の多くにとっては重要なことではない。
際立った見どころは、竜血樹だ。この名前は、赤い樹液に由来している。現地の人々はそれを龍の血と信じていた。ディクサム台地で、この木の傘のような形の樹冠の下で写真を撮ろう。
ソコトラ島にもう1つある別の変わった形の木は、ボトルツリーだ。高さが4メートルを超えるものもある。太い幹と、腕のような枝で、まるで太った僧侶が祈りを捧げるために手を上げているようだ。竜血樹と同じく、この木はソコトラ島にしか自生していない。
ハイキングと水泳が好きなら、ホムヒル自然保護区を訪れよう。山を登ると、自然のインフィニティプールにたどり着き、そこで爽やかな水浴びができる。道中では、竜血樹やボトルツリーを間近に見ることができ、その光景は魔法のようだ。
ソコトラ島は多くの洞窟でも知られており、中でも最大のものはおそらくホク洞窟だろう。外は太陽が照りつけていても、洞窟内の空気は涼しい。素晴らしい鉱物の形と柱の眺めにあなたは息を呑むだろう。内部は、まるで別の世界の中の不気味な世界のようだ。