ジョー・バイデン米大統領は6月3日、国の債務上限を引き上げる法案(財政責任法)に署名し、連邦政府の借金に対する前例のないデフォルト(債務不履行)を回避した。
国内外の金融市場を不安に陥れた数ヵ月間のドラマは、控えめな幕引きを迎えた。厳しい期限を踏まえ、大統領は(式典を行なわず)密室で法案に署名した。財務省は、6月5日に現金が不足し始めると警告していた。
バイデン大統領は声明で、民主党と共和党の議会指導者らの協力に感謝した。「政治がどれほど厳しくなっても、私たちは互いを敵としてではなく、同じアメリカ人として見る必要がある」と、署名後に公開されたビデオメッセージで述べた。
この対立は共和党が、民主党が歳出削減に同意しない限り国の借入限度額引き上げを拒否する、としたことから始まった。5月31日に議会下院、6月1日に上院で可決された最終合意は、現在31.4兆ドル(約4,400兆円)である債務上限の適用を2025年まで停止し、政府の支出を抑制するものだ。