スーダンの人道危機が深刻化し、西部ダルフールで民族間の暴力がエスカレートする中、国連高官の一人は11月10日、スーダンでの民間人への攻撃は「邪悪そのものに等しい」と警告した。
スーダン国軍と準軍事組織即応支援部隊(RSF)の間では、軍事政権からの民政移管に伴う軍統合計画をめぐり数週間にわたって緊張が高まり、4月15日に武力衝突が勃発した。
スーダンの国連援助職員トップ(国連のスーダン常駐人道調整官)であるクレメンタイン・ンクウェタ・サラミ氏は記者団に対し、「性やジェンダーに基づく暴力や強制失踪、恣意的拘禁、人権や子どもの権利に対する重大な侵害など、恐ろしい報告を受け続けており、その勢いは衰えることがない」と述べ、「スーダンの危機に匹敵するものはない」と強調した。
同氏は、人口の半分以上にあたる約2,500万人が人道支援と保護を必要としており、600万人以上が住まいを離れてスーダン国内あるいは近隣諸国で避難生活を送っていると述べた。