ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は5月12日、民間の経済学者を想定外の新国防相に起用した。ウクライナでの勝利に向けて防衛費の有効活用を図り、新機軸を生かすことで、経済戦争に備える狙いがあるとみられる。
戦争が始まって2年以上が経過し両国に多大な犠牲者が出ている中、プーチン大統領は長年の盟友であるセルゲイ・ショイグ国防相(68)に代わって、経済学を専門とする65歳の元副首相、アンドレイ・ベロウソフ氏を後任に起用することを提案した。
大統領府によると、プーチン氏は長年の盟友で2012年以来国防相を務めたショイグ氏が、現職のニコライ・パトルシェフ氏の後任としてロシアの強力な安全保障会議の書記に就任し、軍産複合体の責務も担うことを求めた。
議会の承認が確実な今回の刷新は、2022年2月にプーチン氏が「特別軍事作戦」と称して数万人の軍隊をウクライナに派遣して以来、軍司令部に対して実施した最も重要な変更だ。