ブラジルとイーロン・マスク氏が率いるビジネス帝国との間の緊張は、同国の通信規制当局がマスク氏が保有する衛星通信サービス会社スターリンクに制裁を科すと脅したことで、さらに高まった。同国の最高裁がソーシャルネットワークXの利用を停止するという物議を醸す決定を下した数時間後のことだ。
ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領も、最高裁のアレクサンドル・デ・モラエス判事によるX停止の決定を支持した。デ・モラエス判事は、Xがブラジルの民主主義を損なうヘイトメッセージや電子投票システムに関する虚偽の投稿を容認したと認定した。
「ブラジルの司法は、マスク氏が金持ちだという理由だけで、世の中が彼の極右理念を我慢しなければならない義務はないという重要なシグナルを出したのかもしれない」とルーラ大統領は9月2日に発表されたインタビューで語った。
全てのインターネットプロバイダーに対しXへの国内アクセスを遮断するよう求めた同判事の命令を拒否したことで、スターリンクは9月2日、ブラジル当局の矢面に立たされることになった。通信規制当局アナテルの高官は、スターリンクが命令に従わないことに対する制裁には、ブラジルでの事業免許取り消しも含まれる可能性があると述べた。