シリアの反体制派は12月8日にダマスカスを掌握した後、バッシャール・アサド大統領の失脚を宣言した。13年以上の内戦におけるアサド一族の強権支配を終わらせた、中東にとって激震的な瞬間だ。
このイスラム教徒の反体制派は、内戦の重要な局面でアサド氏を支えた重要な同盟国であるロシアとイランが持つ、この地域における影響力に対しても大打撃を与えた。
シリアの軍司令部は12月8日に、アサド政権が終わったことを兵士に通達したと、シリア兵の1人がロイター通信に語った。
あらゆる形の反対意見を弾圧してきたアサド氏は、12月8日の早くに飛行機でダマスカスから逃亡したと、2人の軍高官がロイター通信に語った。反体制派は、軍隊配備の兆候もない中、首都に侵入したと述べた。
ダマスカスの中央広場には数千人が車と徒歩で集まり、半世紀に渡るアサド一族の支配からの「自由」を叫び、旗を振っていたと、目撃者たちは述べた。
この事態の急展開はアラブ各国政府を驚かせ、地域不安定化の新たな波への懸念を高めた。
アサド氏が率いるこの国に長年背を向けてきた欧米諸国の政府は、国際的に指定されているテロリストグループ―ハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS、「シャーム解放機構」の意)―が影響力を持つこととなると思われる新政権にどのように対応するかを判断しなければならない。