今回は、TOEICのスコアアップを目指す方のAlpha活用法をお伝えします。
TOEICで高得点を取ろうと思ったら、さまざまなスキルが必要ですが、中でも大切なのが英語を素早く読解する「速読力」です。皆さんの中で、こんな経験がある人はいませんか? 「TOEICを受験した時に、リーディング・セクションの途中で時間が足りなくなってきた。試験官は今にも『終了です。解答をやめてください』と言いそう。でも、まだ解いていない問題が10問以上もある。そこで、当てずっぽうでマークシートのAだけをひたすらマークして・・・」。
こうした適当なマークは、業界用語で「塗り絵」と呼ばれます。問題も見ずにマークしたってなかなか当たるものではないし、ひょっとしたら適当に解答をマークした問題の中には、見てすぐ分かるような簡単な問題が含まれていたかもしれません。こう考えると、非常にもったいないですね。こうした塗り絵をやってしまう主な原因として、英文の読解スピードが遅いことが挙げられます。TOEICでは、1つの文を何度も読み直して理解しているようでは、確実に時間が足りなくなるように設計されています。つまり出題者は、あれだけの量の英文を素早く読んで理解できる「速読力」があるかどうかもテストしているわけです。素早く英文を読んで意味を理解する、こうした力があれば塗り絵をする問題も少なくなり、結果的にスコアアップを達成できるというわけです。
速読力を養うには、①「たくさんの英文を読む」ことが大切。日頃から英語を読んでいない人は、いきなりTOEICレベルの英文を目にした時、確実に頭の理解が追いつきません。逆に、普段から英語を読んでいれば、脳が英文の意味を理解することに慣れていますから、意味を素早く解釈することができるようになります。このように、Alphaのような多読教材で日常的に英語を読むことは、速読力を養うという意味でも、非常に大切なのです。
他にも大切なのは②「音読」です。読むのが遅い人はたいてい、英語をいちいち日本語に訳して意味を解釈しようとします。当然ながら、これでは余計な時間が掛かってしまいます。英語は日本語に訳すことなく、英語のまま意味をとれるようにならなければいけません。そのために音読は有効な練習法ですよ。普通に読んでいる時には思わず日本語に訳してしまう人でも、音読しているうちは訳す暇がありません。よって、英語を一度日本語に置き換えるという悪い癖が矯正されてくるのです。ちなみに音読の素材は、初めて見る英文よりも一度理解した英文の方が効果は高いです(初見の英文は音読しようとしても、よほどの上級者でもない限り、意味を考えずにただ口を動かしているだけになりがち)。また、速読力養成のためには、やや早口で音読してみるとよいでしょう。
それから、もう1つ大切な活動が③「リスニング」です。これも、音読と原理は同じ。聞こえてくる英文を、いちいち日本語に訳していたら追いつかないですね。結果的に、日本語に訳すことなく、聞こえてくる順番、つまり英語の語順通りに意味を解釈することができるようになるというわけです。
以上の①~③ことをAlphaのコンテンツを用いてやってみましょう。お薦めは、幅広いテーマを扱っており、比較的平易な単語で書かれているために音読に適した「Essay」のコーナーです。
音声は、できればダウンロードしてスマホや携帯音楽プレーヤーに入れ、空いた時間に常に聞くようにしましょう。最初のうちは3分で読解するのが難しいかもしれませんが、TOEICの問題を全て解き終えるには、これぐらいのスピードが必要です。上記のことを毎週繰り返せば、確実に英語の理解スピードが速くなっていくので、頑張って続けていきましょう。
最後に、Alphaに毎週掲載されているTOEICの連載「TOEICテスト Reading Section徹底演習」をご紹介しましょう。こちらは、本番そっくりのPart 5、Part 6、Part 7の問題に挑戦するコーナーで、TOEIC指導の名門、エッセンス イングリッシュ スクールの講師陣が解説を執筆しています。解答時間の目安も付いているので、実践的な演習が可能です。毎回しっかり取り組めば、問題に対する解答力がついてきますよ。