ゾウを研究している研究者たちは何年かかかって、ある興味深い現象に気が付いた。ゾウが他のゾウのグループに向けて発声すると、そのグループの全員が返事をすることがある。しかし、その同じゾウがそのグループに向けて似たような呼びかけをすると、一頭の個体だけが返事をすることもある。
行動生態学者で研究論文の筆頭著者であるコーネル大学のミッキー・パルド氏によると、100頭以上のゾウが出す発声―ゾウが声帯を使って発するゴロゴロという音がほとんど―を分析した新しい研究では、ゾウが「名前のようなもので互いを呼び合っている」ということが示唆されたという。